第44回 阿蘇シンポジウム抄録集 2024
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坂田 麻実子筑波大学 医学医療系血液内科1) Jaiswal, S. et al.: N Engl J Med, 371:(26), 2488-2498, 2014.2) Genovese, G. et al.: N Engl J Med 371:(26), 2477-2487, 2014.3) Sakata-Yanagimoto, M. et al.: Nature Genetics, 46:(2), 171-175, 2014. 4) Fujisawa, M. Sakata-Yanagimoto, M. et al.: Leukemia, 32:(3), 694-702, 2018. 5) Nguyen, T.B. Sakata-Yanagimoto, M. et al.: Cancer Res, 80:(9), 1875-1884, 2020. 6) Fujisawa, M. Sakata-Yanagimoto, M. et al.: Blood, 140:(18), 1937-1950, 2022. 7) Suma, S. Sakata-Yanagimoto ,M. et al.: Leukemia, 38:(2), 340-350, 2024. 19クローン性造血 (clonal hematopoiesis, CH)は、造血細胞に加齢に伴い体細胞変異が生じる現象である。CHの頻度は年齢とともに増加し、60歳で約10%と報告されている。近年、CHは加齢に伴って増加する多様な疾患の病態に関与することが報告されている。その機序は、CHに由来する“体細胞変異を持つ免疫細胞”が様々な組織に浸潤して慢性炎症を惹起するためと考えられている。一方、炎症はCHの出現を促進する可能性も指摘されている。CHと造血器腫瘍は高頻度に見られる体細胞変異が共通し、CHがある場合に造血器腫瘍の発生頻度が高いことから、CHは造血器腫瘍の発生母地であると考えられてきた。我々のグループでは、がん微小環境におけるCHに由来する“体細胞変異のある免疫細胞”の役割に着目し、患者サンプル、モデルマウスなどについて、ゲノム解析、一細胞オミクス解析、空間オミクス解析などを駆使することにより、研究を行ってきた。特に、リンパ系腫瘍のなかでも、腫瘍細胞がT濾胞ヘルパー(Tfh)細胞の性質をもつサブタイプでは、CHとの関連が最も明確である。CHに由来する胚中心B細胞はTfh腫瘍細胞と双方向に刺激し合うことによって互いの増殖および活性化を促し、腫瘍の進展に関わっている。さらには、CHに由来する“体細胞変異のある免疫細胞”そのもの、あるいはこれと腫瘍細胞のネットワークは治療標的となりうると期待され、本シンポジウムで紹介したい。10. ”体細胞変異のある免疫細胞”によるがん微小環境制御のメカニズム

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