第42回 阿蘇シンポジウム抄録集 2022
4/31

佐藤 佳東京大学 医科学研究所 システムウイルス学分野1) Mlcochova, P. et al.: Nature, 599:(7883), 114-119, 2021.2) Saito, A. et al.: Nature, 602:(7896), 300-306, 2022.3) Meng, B. et al.: Nature, 603:(7902), 706-714, 2022.4) Suzuki, R. et al.: Nature, 603:(7902), 700-705, 2022.1. 新型コロナウイルスの進化2019年末に突如出現した新型コロナウイルスは、瞬く間に全世界に広がった。これまで、全世界において5億人以上が新型コロナウイルスに感染し、600万人以上が新型コロナウイルス感染症COVID-19によって死亡している。未曾有の新型コロナウイルスパンデミックは、発生から約2年以上が経過した現在においても、リアルタイムの災禍であり、いまだ収束の兆しは見えない。演者は、新型コロナウイルスの発生当初からこれまで、出現が続く「懸念すべき変異株」のウイルス学的特徴に着目し、特に本邦の第5波の原因となったデルタ株1), 2)、および、第6波の原因となったオミクロン株3), 4)のウイルス学的特徴を、世界に先駆けて明らかにしてきた。本講演では、新型コロナウイルスについて、これまでの研究からわかってきたことを概説するとともに、これからの研究と流行の展望について広く議論したい。 1

元のページ  ../index.html#4

このブックを見る