山本 雅裕大阪大学 微生物病研究所 感染病態分野T.,Akira,S.,Iwasaki,A.,Standley,D.M.,Yoshimori,T.andYamamoto,M.:EssentialroleforGABARAPautophagyproteinsininterferon-inducibleGTPase-mediatedhostdefense.NatureImmunology,18:(8),899-910,2017.2）Sasai,M.,Ma,J.S.,Okamoto,M.,Nishino,K.,Nagaoka,H.,Takashima,E.,Pradipta,A.,Lee,Y.,Kosako,H.,Suh,P.G.andYamamoto,M.:UncoveringanovelroleofPLCβ4inselectivelymediatingTCRsignalinginCD8+butnotCD4+Tcells.JExpMed.,218:(7),e20201763,2021.3）Lee,Y.,Yamada,H.,Pradipta,A.,Ma,J.S.,Okamoto,M.,Nagaoka,H.,Takashima,E.,Standley,D.M.,Sasai,M.,Takei,K.andYamamoto,M.:Initialphospholipid-dependentIrgb6targetingtoToxoplasma gondiivacuolesmediateshostdefense.LifeSci.Alliance,3:(1),e201900549,2020.4）Bando,H.,Pradipta,A.,Iwanaga,S.,Okamoto,T.,Okuzaki,D.,Tanaka,S.,Vega-Rodríguez,J.,Lee,Y.,Ma,J.S.,Sakaguchi,N.,Soga,A.,Fukumoto,S.,Sasai,M.,Matsuura,Y.,Yuda,M.,Jacobs-Lorena,M.andYamamoto,M.:CXCR4regulatesPlasmodiumdevelopmentinmouseandhumanhepatocytes.JExpMed.,216:(8),1733-1748,2019.5）Pradipta,A.,Sasai,M.,Motani,K.,Ma,J.S.,Lee,Y.,Kosako,H.andYamamoto,M.:Cell-autonomousToxoplasmakillingprogramrequiresIrgm2butnotitsmicrobevacuolarlocalization.LifeSci.Alliance,4:(7),e202000960,Inpress,2021.トキソプラズマは我が国で年間数百例の先天性トキソプラズマ症や後天性トキソプラズマ症を初感染の妊婦や臓器移植患者などの免疫不全者で引き起こす寄生虫（原虫）である。またマラリア原虫は、熱帯地域の発展途上国で年間４０万人以上が犠牲となるマラリアを引き起こす。トキソプラズマやマラリア原虫などの胞子虫類原虫は宿主細胞に感染してのみ増殖可能な偏性寄生性である。これらの原虫は宿主の細胞膜に由来する寄生胞膜に包まれ、宿主細胞質から隔離され増殖をすることから、寄生胞膜が宿主と胞子虫類原虫を隔てていることになる。宿主細胞自律的免疫系（セルオートノマス免疫系）は、寄生胞膜を宿主細胞内に生じた異物として検知し、寄生胞膜の破壊、最終的には原虫自身の殺傷が引き起こされる。宿主の自然免疫系や獲得免疫系から放出されるインターフェロンによる誘導されるタンパク質群はオートファジー様反応経路に依存して寄生胞膜を認識し膜構造を破壊することが演者らの研究によって、近年明らかになってきた1），2）。特にインターフェロン誘導性GTPaseが寄生胞膜に蓄積し、様々な宿主分子の制御によって活性や局在がコントロールされ、寄生胞膜では独特な膜成分を認識することが明らかになりつつある３）。一方、原虫感染時に様々なエフェクタータンパク質が宿主細胞質に放出される。強毒型の原虫から放出されたエフェクタータンパク質の多くが寄生胞膜に局在し、宿主セルオートノマス免疫系からの殺傷反応を抑制していることも近年明らかになってきた４），５）。本発表では、演者らの研究の最新の知見を中心に、トキソプラズマやマラリア原虫に対する宿主セルオートノマス免疫系の作動原理と原虫によるその回避による病原性機構について概説する。 1）Sasai,M.,Sakaguchi,N.,Ma,J.S.,Nakamura,S.,Kawabata,T.,Bando,H.,Lee,Y.,Saitoh,11. 宿主セルオートノマス免疫系による細胞内寄生虫排除機構
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