第40回 阿蘇シンポジウム抄録集 2019
24/29

■■■■■東京大学 医科学研究所、ウイスコンシン大学 11. 新興感染症 ‒ インフルエンザならびにエボラ出血熱 −インフルエンザウイルスは、毎年、冬に流行し乳幼児や高齢者において死亡の原因となるとともに、数十年に一度新たなウイルスが出現し世界的な大流行(パンデミック)を起こします。私達は、インフルエンザウイルスを人工合成する遺伝子操作系(リバース・ジェネティクス)を開発しました。この技術は、高病原性H5N1ワクチンの作製に使われています。この技術を用いてパンデミックウイルス出現のメカニズムについて研究を行っています。インフルエンザのコントロールにはワクチンと抗インフルエンザ薬が用いられます。しかし、ワクチンの有効性には限界があり、インフルエンザ薬も効果は高いものの、耐性ウイルスの出現が懸念されます。そこで私達は、新規抗インフルエンザ薬ならびにワクチンの開発を目指して研究を行っています。一方、2013年の暮れに、西アフリカにおいてエボラウイルスの流行が始まりました。これまでに3万人以上の感染が報告されています。私達の研究グループでは、これまでエボラウイルスの基礎研究ならびにワクチンの開発を行ってきました。また、シエラレオネで研究活動も続けています。本講演では、現在私達の研究グループで行っているインフルエンザ並びにエボラウイルスの研究について御紹介させていただきます。21

元のページ  ../index.html#24

このブックを見る